日本胸部外科女性医師の会

WTS in Japan Women in Thoracic Surgery in Japan

About WTS in Japan

日本胸部外科女性医師の会WTS in Japan設立の趣旨

医療現場における医師不足が頻繁にささやかれる現在、各分野における女性医師への期待は高まる方向にあります。この状況は胸部外科領域においても同様であり2006年に日本胸部外科女性医師の会(Women in Thoracic Surgery in Japan, WTS in Japan)が設立されました。設立に当たる経緯について今後の展望も踏まえご紹介いたします。

アメリカでは早くから女性胸部外科医の集会(Women in Thoracic Surgery, WTS)がもたれるようになりました。1986年初回の集会はSTS(Society of Thoracic Surgeons)定期集会に併せ8人での小さな朝食会で始まりました。この会を発端に、地道な電話連絡および学会場での直接な折衝により徐々に賛同者・および集会への参加者を増やし、優に20年以上の時間をかけ確立した会に仕上げたということです。この会を通じ会員達の間で情報交換の機会を持ちお互いを励まし合い、数々の女性胸部外科医が学会の認定会員へ選出されるようになりました。WTS(USA)は目標として以下の4点を掲げております;

  • 1. To enhance the quality of medical care given to patients of the members;
  • 2. To focus on the development of women thoracic surgeons through a mentoring program;
  • 3. To enhance the education of patients concerning heart and lung disease, particularly but not exclusively, among women; and
  • 4. To enhance the education of women thoracic surgeons through seminars and other training mediums.

特にmentoring systemについては早くから力を注いでおり現在に到るまで非常に有効に機能しております。同じ胸部外科領域ということで私共も上記WTSを手本にWTS in Japanの設立を手がけて参りました。

分野が異なれども、本国にも数々の女性医師達のワーキンググループは存在し、各状況に併せた問題への取り組みは長いことなされていることは多くの方もご存じの通りと思います。共通した問題点には;#1サービス残業・当直などの労働体制における問題、#2医局行事と家庭と両立困難、#3給与・休暇における契約の不透明感、入局・就職・昇進・職場での配置におけるジェンダー・バイアス、#4職場の設備の不備(保育所など)、などが挙げられます。#1、3などについては性別を問わず胸部外科医を含む多くの勤務医に共通した問題点とも考えられます。

以上の状況・問題点を踏まえ2006年初頭に多くの方々の協力の元にWTS in Japanを設立し、10月には第一回の集会を開催することが出来ました。招請講演として、WTS (USA)の元会長であるDr. AJ Carpenterよりmentorshipの大切さについてWTSの成り立ちを交えお話をいただきました。昨年第2回の集会では、女性で初めて心臓移植を本格的に手がけられたDr. M Allen (USA)より臨床の場における女性医師の役割・特性についてご自身の経験を踏まえたお話をいただきました。いずれも参加者は20-30人前後と小規模の会でしたが多くの議論を交えた非常に有効な会であったと信じております。

今後は日本胸部外科学会より本格的な後援の元に継続的に会を開催していくことになると思われますが、現在この分野で頑張られている方・および今後この分野で頑張ろうとされている方の一人でも多くの先生方にとって少しでも役立つ集会に発展できればと世話人一同考えております。

最後になりましたが、会の目標として以下のようにいたしました;

医療領域における女性医師人口は年々増加の一途にあり、胸部外科領域においても例外ではない。過去には主として男性の労力に依存してきたこの領域でも、性別を問わず人材を確保しかつ良質な医療を提供すべく工夫し体制を整えることは重要な課題であると考えられる。本会において、会員(特に女性医師)交互の連携および他の学会との連携を計り、胸部外科領域における女性医師の臨床面および研究面でのcareer確立・発展を助長し、幅広く胸部外科領域における医療・医学に貢献することを目的とする

以上。

文責:齋藤綾(東邦大学医療センター佐倉病院 心臓血管外科)


沿革

2006年1月
日本胸部外科学会理事会で「日本胸部外科学会女性医師の会」の設立と、日本胸部外科学会定期学術集会期間中の集会開催が承認される。
2006年10月
第1回 日本胸部外科学会女性医師の会を開催
以後、毎年秋に開催される日本胸部外科学会 定期学術集会に併設して「日本胸部外科学会女性医師の会」を開催している。